DIYで魔法世界を再建!
第五十一章 準備
今すぐにでも出発したいけど、それよりもまず、住民達に事情を説明しなければいけない。黙って行ってしまうと、心配を通り越して激怒される。
私達が教会まで戻ると、もう全員が朝ご飯の支度をして待っていてくれた。でも最初に住民達が驚いていたのは、シナノ様の変化した姿だ。
その神々しい姿を目にした住民の中には、感激のしすぎで気絶してしまう人までいた。シナノ様は終始満足そうな表情を浮かべていたけど、住民達にとっては気が気でなかったであろう。
召喚主であるヌエちゃんも、朝食中何度もシナノ様を見ていた。自分自身でも分からなかった『相棒』の真の姿に、ショックを隠しきれない様子。
今まで気づけなかった自分が情けなくなっている心境である事は、彼女の態度から何となく察せる。でもそんな心境になるという事は、ヌエちゃんがそれほどシナノ様を好いていた証拠。
あの古龍が襲来した事により、林に住む精霊さん達の頭数が減ってしまった。しかし、それは逆に考えれば、精霊さん達が必要とする霊力が減った・・・という考えにも行き着く。
若干卑しい考え方ではあるけど、シナノ様はその変化を利用したそう。余分になった霊力を自分が食べる事により、本来の凛々しい姿へと戻ったのだ。
生き残っている精霊さん達も、「神獣様が本来の姿を取り戻してくれて良かった」と言ってくれているし、これもある意味『結果オーライ』の亜種なのかもしれない。
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