DIYで魔法世界を再建!
第六十二章 再びこの空間で
「ふふふっ
 こうしてこの空間で語り合うのも、久しぶりだな。」

「・・・そうですね。
 あの世界に転生して、ちょうど一年だから・・・一年ぶりか・・・」

そう、この空間は、私があの世界に転生するきっかけにもなった場所。生前の話を繰り広げたり、無茶な要求をしたり、全てがとても懐かしく感じて、ちょっと涙が出そうになる。
しかし、以前とは違うところもある。今この空間を共有しているのは、神様と私だけではない。ボロボロの状態のヌエちゃんとシーズさん、そして、銀色に照り輝くシナノ様も一緒だ。
シナノ様は、まるで銀色の羽織を纏った様な、美しい姿をしている。これが『最終形態』なのだろうか・・・?

「・・・シナノ様、結局あなたは何者だったの?」

「私はヌエの召喚獣でもあり、『神の目』でもあった。私の視界を、この神も共有しておったの
 だぞ。」

『視界の共有』なんて、だいぶ夢のある話に聞こえる。あの世界では、ありえなくはない話なのかもしれないけど。
神獣であるシナノ様の感覚を、人間である私達に例えるのも難しい話だ。それこそ、私達が踏み入る事のできない領域の話だから。
・・・それに、その領域に踏み入れた結果、あの女王様の様になってしまうのなら、いっその事、知らない方が身の為だ。
素戔嗚様の話によると、あの女王様は、トリートンを見守っている神々からも警戒されていたんだとか。確かにあの執念も能力も、人間の域を超えているとしか言えない。
ただ、そのあまりに強大すぎる力を前に、神でも成す術がなかったんだとか。もし下手に神の魔力を吸収されると、女王様が今以上に凶暴な姿に変化する可能性もあったそうで。
そう思うと、今更になってかなり恐ろし感じる。本気を出された女王様の実力は、神々にも勝るとも劣らず。そんな相手に、身一つで挑むなんて、自殺行為にも見て取れるのかもしれない。
しかし、私達が女王様の魔力を極力削る事ができたから、ようやく彼女を追い込み、滅する事ができたんだとか。
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