DIYで魔法世界を再建!
第六十三章 多くの別れと 多くの始まり
「ヌエよ、私ももうお前と共にいられないみたいだ。」

「えぇ?!! シナノ様もどうして?!!」

「私はこの戦いで、全ての魔力を使い切ってしまった。シーズを天に送ると同時に、私も天へ昇
 らせてもらう。」

「シナノ様・・・」

ヌエちゃんは、何か言いたげな顔のまま固まってしまった。彼女はあの戦いの最中、気づいていたのかもしれない。シナノ様の魔力が尽きかけているのを。
それもそうだ、あんな化け物と対決して、無事で済む筈がない。シナノ様は、長年の間に魔力を少しずつ為、この戦いに備えていたのだ。
何処までが計画通りなのかは分からないけど、シナノ様もシーズさんのように、私達の知らない所で頑張ってくれていたのだ。
そう思うと、シナノ様には本当に申し訳ない気持ちになってしまう。私も一応部外者ではあるけど、人間同士の争いの為に、魔力を節約しながらも平然を保っていただなんて、改めて凄い。
やっぱり『神』の獣は違う。
< 215 / 223 >

この作品をシェア

pagetop