DIYで魔法世界を再建！
「ヌエよ、私は確かにお前の召喚獣である事に違いはない。主の元から離れるのは、召喚獣失格
　である事も、重々承知しておる。」

「そんな・・・私はあなたを『道具』として見た事は一度もなかった！！」

「・・・そうか。ならば、『相棒』である私からの、最後の望みを聞いてくれるかい？
　これからお前には、『魔術』に頼らなくても生きられる生活が待っておる。もうお前も、『一
　族』や『魔力』に囚われる事もない。

　『普通の女の子』として生きなさい。」

「・・・・・はい・・・」

ヌエちゃんは涙を流しながらも、頑張って頷いていた。『相棒』との別れを惜しむ、暖かい涙だ。その光景を見て、私もシーズさんも、堪えていた涙が一気に流れ出てしまった。
ヌエちゃんにとっては、『家族』同然の関係であったシナノ様。しかしシナノ様は、あえて彼女から離れる事により、新たなる彼女の人生の門出を祝っているのだ。
まさに、家を出る子供と親のような関係。・・・できれば、私も生前の世界で、こんな理想的な別れを経験したかった。
ただ、この世界がつまらないわけでもない、嫌なわけでもない。これからこの世界には、多くの家族が生まれ、多くの出会いと、多くの別れが訪れる。
せめて私は、生前の世界よりも、ずっとずっと長生きしたい。そして、いつかはこの世界から飢獣が消え、緑で満ち溢れた世界になってくれる事を祈って。
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