DIYで魔法世界を再建!
「・・・はい

 ・・・スマホのゲームとかで・・・」

「そこかいっ!!!」

「え・・・だってゲームとかでは強キャラで有名ですし。
 私はあまりスマホゲームはしないけど、アニメとかでも有名ですよ。」

「・・・まぁいいか、ひとまずお前の『頭』は大丈夫みたいだからな。」

その言葉を聞いた瞬間、私はハッとした。私がさっき直前まで置かれた状況は、『深い海の中』
そこで私は、必死に海面へ向かって手を伸ばしていた。でも、私の『生きたい』という願望は
届かずに、そのまま深い海の中へと・・・

「・・・??
 じゃあ此処って、海の中??」

「いや、違う
 ・・・いや、正確に言えば、どちらでもあるし、どちらでもない
 君の『体』は、まだ広大な海を彷徨っている。見つかったらラッキー程度だが。でもお前の
 『魂』は、此処にある。」

「・・・すいません
 オカルト的な話はほぼついていけないので、もっと分かりやすい説明をお願いします。」

「え?
 えーっと・・・そうだな・・・

 ・・・例えばだな、お前の『魂』を『液体』だとして、お前の『体』を瓶や缶などの
 『入れ物』だとしよう」

「うんうん」

「『液体』を運ぶ為には、それなりの入れ物が必須だろ?
 入れ物がなかったら、液体を運ぶ事も持つ事もできないから、『器』を用意する。」

「なるほどなるほど
 ・・・えーっと、つまり私は今・・・
 『入れ物』がない状態っていう事・・・???」

「まぁ、そうだな
 ・・・というか、もう『器』は諦めた方がいい。きっと『直視できない状態』になっている。
 海に吸い込まれた人間は、大抵そうなってしまう。」

「・・・・・」

私の心に抱いていた、淡い『勘違い』は、水の泡へと消えてしまった。やっぱり私は、深い海の底へと吸い込まれ、2度と地上へは上がってこられない。
そう、私は『人魚』になってしまったのだ。でも私の体は、遅かれ早かれ『泡』となる。
王子様と結ばれる事なく、一人で・・・



私の乗っていたフェリーは、大嵐に巻き込まれて、転覆した

そして私は、そのまま海へと投げ出され

そのまま『溺死』してしまった・・・という事。
< 4 / 223 >

この作品をシェア

pagetop