DIYで魔法世界を再建!
「・・・あっ!! 起きてくれた!!」

ドアの隙間から、誰かが覗き込む。私に向かって呼びかけた人物は、私の起床を確認すると、すぐ何処かへ引っ込んでしまった。
それがほんの一瞬の出来事だったから、顔を確認する事はできなかったけど、その声は小川で助けた『ヌエ』さんに間違いはなかった。
私は一旦ベッドから抜け出て、ヌエさんが走って行った方向に行こうとするけど、足が思うように動かなくて、転びそうになった。

「ユキナ!! 急に動いては駄目!!」

よろけた私を助けてくれたのは、精霊さんだった。精霊さんの身体に触れた途端、ようやく我に帰った私は、そのまま引きずられる様にベッドへと戻される。
意外な事に、私が気絶していたのは、たった1日だけだったそう。何故体が重いのかというと、魔力を急に体内に巡らせてしまった反動らしい。
ヌエさんは幸い、軽傷で済んだらしく、この教会の事は、精霊さんが色々と彼女に教えたんだとか。そしてヌエさんは、私が目覚めるまで、ずっと看病してくれていたそう。
たまたま席を外した時に私が起き上がったから、彼女もかなりびっくりしていたらしい。おまけに彼女の魔力は、普通の魔術師とは『比べ物にならないくらい強い』らしい。
そんな魔力を、魔法の知識が皆無な私に流したんだから、そりゃ体がついていけない。彼女もそれに関しては責任を感じているそう。
ただ、あの時彼女からのサポートがなかったら、あんな規格外の化け物を退治する事はできなかったわけだから、彼女を責める気なんて微塵もない。
精霊さんはヌエさんに、食べ物を保管している場所や道具を保管している場所を教えてくれたそうで、おかげでヌエさんは、数日間の断食からようやく救われたそう。
ヌエさんが一体どのくらい、この世界を彷徨っていたのかはまだ分からない。ただ、私が見た夢と照らし合わせると、恐らく十数年はくだらないのかもしれない。
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