DIYで魔法世界を再建!
第二十一章 目覚めの歓迎
「・・・・・んっ・・・」

眩しすぎる朝日で目が覚める。瞼を閉じても感じる、朝日の温もり。ついさっきまで私が迷い込んでいた世界とは真逆だった。
私は無意識に朝日へ手を伸ばし、冷えた体を温めようとする。あの世界は完全に夢の中だったにも関わらず、私の体は妙に冷たい。冷え性でもないのに。
一体どれくらい眠りについていたのか分からない。ただ体が相当重い事から、数日はくだらないかも。試しに起きあがろうとしても、まるで背中に漬物石を背負ったかの様に動かない。
背中も重いけど、頭もだいぶ重い。脳が急に重くなった感覚だ。脳ではなく石を頭に詰め込んだ様だ。しかも、妙にズキズキする。
夜更かしは時々していたけど、寝過ごす事は滅多にしない私だからだろうか。高校の友人達は、よくパジャマのまま休日を過ごしているみたいだけど、私には考えられなかった。
やっと起き上がったと同時に、お腹が悲鳴を上げた。「グゥー・・・」という身体中に響く轟音が、途端に体を更に重くさせる。
寝ていたのなら、食べていないも同然。ただ、今から支度をするのもかなりしんどい。もう少し休みたい気持ちもあるけど、これ以上休んだら、本気で体を壊しそう。
軽く食べられる物といえば・・・乾燥させた果物や木の実や魚。でも起きて早々、乾燥させた硬い物を食べられるかも不安。私はどうしようかと、ベッドの上で悩んだ。
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