あの日のあの雨が君をさらっていってしまった。





「琉和って雨好き???僕はジメジメしてるから大っ嫌い!!」


先程の雰囲気が気になったが
私の直感があまり触れない方がいいと言っている気がした。

「そやね…うちもジメジメしたの嫌いやけど雨は好きよ?」

雨は昔から好きだった。

音も何もかも

「なんで!?ぐっしょり濡れるやん!!」

服が濡れているのを再現しているのだろう。
自分の服の裾の部分を両手でもち前に引っ張っていた。

確かに濡れる…でもうちはそれが好きなのだ。

「濡れるの気持ちいいやん?嫌なことがみーんな流れていく感じして…音も心地よくて…
ジメジメしなかったら雨はだーい好き!!」

そう笑ってみせる。

「風邪ひかない程度にしてね?」

先程の驚いた表情から少し困ったような表情に変わっていた。

コロコロ変わる表情をみて改めて思った。




(うちってやっぱり優のこと大好きなんだなぁ)









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