とらとうま


「…寅川さん」

小さいけど確かに馬矢の声だった。

良かった死んでなかった…ってそうじゃなくて。

「お、おはよ~ごめん寝てた?」
笑っとこ。
ごめんで済まされるような騒ぎかたじゃなかったとか…まぁさ、まぁそこはさ、

「寅川さん」
えもいわれぬ静かな声。「はい。」
煩くして悪かったと思ってます。寝坊もするよね、人間だもん。むかつくよね寝起きにドアがんっがんぶん殴りながら名前叫ばれたら。うん。逆の立場だったら私あんたのこと泣かしてたと思うもの。んんそれはやりすぎかもだけど確実に二発は入れてたと思うし。

沈黙長い。くそ来るならきなさいよ。恥ずかしいんだから!とんだ勘違いバカじゃん私!!

「…出られない」

「は」
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