悪役(ヒロイン)だったはずですが、騎士団長様に愛でられて幸せな結婚します。


 * * *


「おい! おい、メアリ……もう休憩終わるぞ」


 んー……休憩? 終わり? なんのこと……?


「メアリ!! 起きろ!」


 聞いたことあるような、ないような気がする男性の声が私を呼んでいるようだ。もう少し、寝たいんだけど……─︎─︎─︎と、思った時に身体を揺らされて強引に起こされる。ハッと周りを見ると「……ここ、は」と思わず呟いてしまった。


「……メアリ、やっと起きたと思ったら何ブツブツと変なこと言ってるんだ」

「……え、」


誰、この人。
 しかも、映画とかで見たことのある昔の貴族が着るような服を着ているし……映画とかの撮影? 周りは、草や花が広がり周りは洋風な建物が並んでいる。


「何、ボケーっとしてるんだ」

「あはは……ごめん」

「……まぁ、いい。疲れているんだろう。昨日も遅くまでやっていたからな」


 昨日……この人に会ったことあるっけ。こんな短髪のイケメンさん、知り合いにはいないんだけど。


「おーい! ウォーレン、メアリ〜……団長が首を長くして待ってる」


 すると洋風の建物の方からまた一人、男性が手を振って走ってきて「探したんだけど」と口を膨らまして怒っている。だけど、まだ私は状況が掴めない。


「おう。メアリ、アクア行くぞ」

「お前が言うな……本当に、全く」


 そうウォーレンは言うと私の手首を引っ張り、3人でここから走って洋館の方へ向かった。

 




 
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