幼恋。
私と椛が見つめあってなんとも言えない間が空いた時
倉庫がガラッと音を立てて開いた。
「椛じゃん、何?また女〜?」
「はぁ?」
入ってきたのは見るからにガラの悪い身長も高くガタイもいい男の人。
見る感じは20代半ばくらいに見える。
「てか、その子可愛いじゃん純朴そうで」
「はぁ?見る目ねぇんじゃねーの」
「お前の周りは可愛い子多いよな〜
いいなぁイケメンは」
「そういう妬みうぜぇ」
なにがなんだかわからない私は椛と、その男の人のやり取りを黙って聞いていると
男の人は私の方にコツコツと足音を立てて近づいてくる。
「お前の沢山いる遊びの女の1人くらい分けてくれよ〜な?」
「なんでお前に分ける必要があるんだよ」
「いいじゃん、この子言うこと聞きそうだし」
な?と私の頭を触りながら言った男の人にどうしたものかと私は黙り込むしか出来ない。
椛は、その人を冷めた目で見てチラッと私を見ると鼻で笑った。
「そいつ言うことなんて1ミリも聞かねぇよ。
欲しいならくれてやるけど、まだ俺このおもちゃ飽きてねぇからやれねーわ」
「おもちゃかー」
男の人はそう言うとクスッと笑って私から少し離れた。