いつでもキミが


はじめちゃんは私のことを女子として見てないだろうから、そんな心配する必要もない。

だけどはじめちゃんは、私の家族に安心してもらうためにそんな約束をしたんだって思ったら、また心臓がきゅーーってなるんだ。

はじめちゃんに想いを返してもらいたいとか、そういうことは思わない。

ただ、こんな私のことを助けてくれて、あったかい気持ちをたくさんくれたはじめちゃんに、ありがとうと言いたいから。

『1年生の小野寺鞠、小野寺繭。至急、生徒会室まで来て下さい。小野寺双子、至急生徒会室までお願いします』

突然校内放送が聞こえると、それは私たち双子を呼ぶ内容の放送だった。

「繭、呼ばれてんじゃん」

「生徒会室…なんでだ?」

「あ、わかった…!ミスコンに参加してくれないかって誘われるんじゃないっ?」

「…うちそういうのないでしょ」

「まあまあ、とにかく行ってみなよ。それでまた報告よろ〜」

優菜は完全に楽しんでいる。
生徒会といえば、私の知らない間に何かよくわからない投票をやっていた集団だ。

ものすごい嫌な予感がする。

呼ばれたからとにかく行くしかないが……

ひとつ溜息をついて、私は生徒会室に向かった。ーー


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