いつでもキミが
story6
いつでもキミが
はじめちゃんの家にお邪魔してから日にちは過ぎ、ついに夏休みが終わった。
私はいよいよ、はじめちゃんに告白をする。
無事に家に帰ってきた鞠にもはじめちゃんのことを話したら、『2人のこと見てて、そうだったらいいなって思ってたんだ』と笑顔で言ってくれた。ーー
「繭〜それでそれで?
いつ言うつもりなの??」
「今週の金曜には言うつもり」
「ひゃ〜〜っ、たまんないね!」
昼休み、私の話に優菜はテンションが上がっている。
どうもネタにするとかで、途中から手帳にメモりながら夏休み中に起こった出来事を聞いていた。
「それにしてもはじめちゃん。
まじで本当にいいやつすぎんじゃん、意味わからんな…!」
「……うん」
「家に泊まった日も繭の話だと何もされなかったんでしょ?本当に指一本も触られなかったの?」
「うん、本当に一本も」
いつもみたいに頭ポンってしたりも無かった。
朝起きたら、当たり前だけどはじめちゃんの姿はなくて、朝食の手伝いとお父さんの二日酔いの介抱をしていた。
「……は〜〜もう…しかも同じ部屋で2人きりなんでしょ…?
絶対拷問なのに……なんて誠実な男なのはじめちゃん…愛だよそりゃ愛…泣けてくるわ優菜さん……」
「普通触りたくなるもん?」
「そりゃそうよっ。好きじゃなくてもね、男っていう生き物は女子と2人の空間にいるとムラムラっとエロ心が湧き上がってきちゃうもんなの!」
そ、うなんだ……
だからお父さんにあんな約束、してくれたんだ……
そう思ったら胸が張り裂けそうに切ない。