いつでもキミが


つーか俺、足掻いてんのか…?
必死に見えんの?

あいつにはどんな風に……

そんなこと、気にもしてないか。

小野寺繭。
背は小さめなのにバスケはすげーうまい。
双子の姉のためならなんだってするくせに、自分は人に頼ることを知らない。

甘えられない状況だったのかもしれないが、しっかりしすぎて逆に心配になる。

ちゃんと休めてんのか、息できてんのか。

弱音も吐いていい。
辛いなら泣け。
きついなら無理すんな。

あいつ見てたらそんなことばっかで。

徹から聞いた。
"鞠ちゃんと付き合うことになった"と。
その経緯も。

あいつはどんな気持ちで姉の背中を押し、自分の好きなやつのもとへ行かせたのか。

もっと欲張れと思う。
もっと自分のために動けと思う。
感情を押し殺さなくていい、と。


"はじめちゃんは私のライバルだっ!"

ライバルでも友達でもなんでもいいんだ。
何もしてやれないけど、俺があいつにあげられるものなんか、これっぽっちもないけど……ただ、俺はあいつのそばにいたい。ーー


< 46 / 167 >

この作品をシェア

pagetop