いつでもキミが


「……はぁ〜〜…」

「……はじめちゃん?」

はじめちゃんはわかりやすいほど大きくため息をついた。
そしてそのイケメンな顔の眉間にはシワが寄っている。

あら?
怒らせたかも……

「もっとさ、もっとこ〜……頼むから大事にしてくれない?」

"何を?"
はじめちゃんの言ってることがわからず、そう聞こうとするが、すぐはじめちゃんは返事をくれた。


「自分になら、嫌がらせされてもいいとか言うな」

「…!?」

「繭はさ、自分を犠牲にすることに慣れて当たり前んなってんだよ。
そのせいで自分が傷つくことにさえ慣れてる……もっと自分のために怒っていい、泣いたって俺が誰にも文句言わせない。だから…そんなもんに慣れんな」

「……っ…」

はじめちゃんは私に怒っていいと言って切ない顔で私を怒る。
何も知らない人が遠くから見れば、いわゆる世間一般で言う説教をされてる感じに見えるのだろう。
それなのに、優しい…どうしてこんなに優しいんだ……

はじめちゃんは本当に、優しさの塊でできてるんじゃないかと思う。
優しすぎて、こういう時いつも泣きたくなる。

この気持ちは一言では到底言い表せないし、私が知ってる言葉では表現できない。

この、心臓の奥から溢れ出るような感情は……

胸がキューっと締めつけられるように切なくて、なのに優しくて温かいこの感情は……

なに……?ーー


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