いつでもキミが


早速他校との合同練習がスタートすると、はじめちゃんはまさに女子の注目の的になっていた。
シュートを決めるたび黄色い声が度々聞こえるのだ。
我慢しているのか控えめではあったけど、抑えられなかったものが漏れ出てしまっている。

「…まゆゆ〜、こっちも練習試合始めるって〜」

「あ、うん」

はじめちゃんの綺麗なフォームや、いくら汗をかいていても冷静に相手を分析しているところは、本当にライバルながら憧れるしカッコいい。

それでいて顔がイケメンだから騒がれるのもわかるし、いつもの部活でも毎日騒がれてるからこんなの別に平気…慣れっこなのに……

なんか……

「…痒い」

かゆい?
違うな…どこも痒くない。

じゃあなんだ?

初めての違和感にモヤモヤしながら、私は女子チームのところに向かう。

しかしいざ練習試合が始まると、さっきの妙な違和感は忘れ、いつもの部活のようにただただバスケが楽しくてしょうがなかった。

注目の的になっていたのは自分も同じだということに気づかずに……ーー


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