いつでもキミが


合宿1日目はあっという間に終わり、次の日の早朝、私はジョギングをするためひとりで外に出る。

昨晩はじめちゃんから、『朝練やるなら俺もやるから、絶対ひとりでやるな』というメッセージがスマホに来ていたが、『やらないから心配ご無用』とだけ返した。
やらないというのは嘘だ。いや、昨日の時点では嘘ではなかった。

ただ、夜みんなが寝静まった後もどうしても拭えなかったこと。ーー

バスケをしてる時は忘れられていたのに、何かしていないと思い出してしまう。
思い出したら眠れなくなった。
なぜなのか、一晩たった今でもわからないけど……

一つだけ確かなことは、はじめちゃんを見ると、なんか…胸の真ん中らへんに違和感があるということだ。

結局あまり眠れずにいてもたってもいられなくなり、こんな朝っぱらから走りにきてしまったというわけである。

こういう時、いつもの調子なら絶対はじめちゃんの優しさに甘えて誘ってしまうけど、今は…今は、はじめちゃんとどんな顔をして会えばいいのか、少しだけわからないような気がしたから……

周りを見ると近所の犬の散歩をしている人以外誰もいなかった。

そんな静かな気持ちの良い朝、ストレッチをしようとしていると、後ろのほうから何人かの男子の声が聞こえてくる。


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