天然お嬢と双子の番犬さん
土曜日。快晴。気温は普通。
「何処に行くつもりですか」
「う、わああ!?」
絶叫。そして顔を上げた。
目の前には無表情のリヒトさん。
「なな…なんでいるの!?」
そう言ったのには訳がある。
何故ならさっき、廊下には誰もいない事を確認したから。顔を出して左右確認万全、人の気配すら感じなかった。
何処から出てきたの!?
も、もしかして!
「隠れみ術!!?」
「訳の分からない事ばかり言っていないで質問に答えてくれますか」
大きな溜息と眉間のしわ。無表情な人だけど雰囲気で「怒っています」と言っている。
「そ、その…リンを探しに行こうかなぁって~…」
嘘だけど!
リヒトさんは「ああ」と言うと、私に手を出すよう指示をする。
「これの事ですか」
「リン!?!」
どーんっとおかれたのは首根っこを掴まれたリン。
どうやらリヒトさんの引っ付き虫になっていたみたい。
「用は済んだでしょう。部屋に戻ってくださ…」
「あー!!そうだったー!トイレも行きたいんだったー!」
挙手&棒読み。
「……トイレですか」
部屋にはトイレないもんね!これなら抜け出し…、
「にゃっ!!?」
吃驚のあまりリン語が漏れた。突然地面から足が離れたからだ。
「ちょ…!?」
「分かりました。では行きましょう」
軽々っと俵持ち。
担ぎ方が物凄く雑過ぎる。