どうしているの?ねぇ、先輩…


「なんで……」

「最近全然喋んないじゃん。前は仲良かったのに」


仲、良かったのかな。


「ケンカ?」

「いや……」

「え、まさかフラれたとかじゃねぇよな?」

「……。」


やっぱりバレてるの……私の気持ち。


「フラれたっていうか……元々フラれてるようなものだし」

「なんで?」

「だって瞬先輩、彼女いるじゃないですか」


植えた苗に土を被せながら、胸の痛みを感じていた。

愛情を入れなくちゃいけないのに、胸の痛みが入りそうで……なんだか手伝いをしていることが申し訳なくなってくる。


「でもさ、春田に好きって伝えたわけじゃないんでしょ?」

「まさか、言えないですよ。先輩彼女いるのに、そんなこと言ったって迷惑だろうし……」


やっぱりだめだ。愛情なんて、今の私には入れられない。

胸の痛みがどんどん大きくなってきて、アジサイを枯らしてしまいそう……


「つーかそれ、まだフラれてないじゃん」

「………え?」


顔を上げて洋平先輩を見たら、私とは全然違う。

愛情なんて、形のない感情のはずなのに……

洋平先輩の花への愛情は、表情から、空気から、全部伝わってくる。


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