どうしているの?ねぇ、先輩…



「ご飯、毎日食べるくらいのお金は貰ってるし……ほんとに、大丈夫です」

「………」

「自分でも作れるし、たまに奮発して高いお肉とか買っちゃうし」

「………」

「イマドキの女子高生よりも、いいものは沢山食べてますよ」


私がどれだけ明るく笑って話しても、瞬先輩は笑ってくれない。

だからもう、逃げ道がどこかわからない。


「あの、ほんとに、」

「じゃあ今度、夜ご飯一緒に食いに行く?」

「え…」

「ラーメン、好き?」

「好きです、けど」

「安くてうまい店あるから、連れてくわ」


ラーメン……瞬先輩の前でうまく食べられる自信はない。

けど。

誰かと一緒に夕飯を食べる所を想像したら……なんでだろう、それだけで泣きそうになった。


「適当に、たまには一緒に食おうぜ」


これは、彼女の特権なのかな。


「ありがとう、ございます……」


彼女になったらこんなに嬉しいことが、この先もたくさん続くのかな……


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