どうしているの?ねぇ、先輩…



「ねぇ七瀬」

「はい」

「いっつもさ、夜ご飯とかどうしてんの?」

「え」


急に……そんな現実的な話し。

電気の点いていない家の中に、気づいたからかもしれないけど。


「大丈夫です、いつも適当に食べてるので」

「親、ご飯も作ってくんねぇの?」

「…たまに、作ってくれるときも」


その「たまに」は、男の人に作るついでだけど。


「大丈夫です、ちゃんと食べてるし、学食もあるし」

「学食は昼だろ」

「そうです、けど…」


ここでなにかを言ったって、この現実が変わるわけじゃない。

高校生の瞬先輩に出来ることなんて、なにもないって私はわかってる。


弱音を吐けばその分、余計な心配をかけるだけ。

余計な負担を、押し付けるだけ。


それくらい、私にだってわかるから……


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