どうしているの?ねぇ、先輩…
「はいはい、じゃあ洋平によろしくね」
洋平と西沢さんは、俺たちが高校を卒業すると同時に付き合いだした。
生徒会で出会って以来、ずっと猛烈にアプローチを続けていた洋平の恋は、高校生活の終わりと共に奇跡的に成就。
園芸関係の専門学校を卒業した洋平は、今や立派な社会人としてその道の職に就いている。
「じゃあ私、1人でダーツしてこよーっと」
西沢さんを見送ったあと、いちかはまたダーツをやりに俺たちの傍を離れていった。
カウンターに残された男2人、なんとなくビールを飲み続ける。
「洋平と西沢さん、うまくいってるみたいだね」
「そのうち結婚するんじゃねぇの、あの2人」
「かもね」
2人が付き合いだして、もう3年。
それはつまり、俺たちが高校を卒業して3年が経ったということだ。