どうしているの?ねぇ、先輩…



駆け寄ってきた先輩がなにかを言っているのに、熱のせいでよく聞こえない。

苦しくて先輩の腕をぎゅって掴んだのに、熱で感触も分からない……


顔だって全然、

涙で滲んで、全然見えない。



近くにいるのに、遠いみたい。

近くにいるのに、遠いんだ。


今の私たちは、遠いんだ……



「美香っ、美香!」

「、…」



やだよ……


いやだ……



約束、したじゃん……




───“ずっと、一生、……私のこと、好きじゃなくなっても”

───“…、お母さんみたいに、、…お父さんみたいに、ッ、…いなくならないでください”



私のこと、好きじゃなくてもいいから。


だからお願い、行かないで。



私を、1人にしないで……




「………ないで」

「え?」

「、やだ、……ッ、行かないで、」

「、…」



熱で錯乱した頭の中に、色んな感情が溢れてきた。


お母さん行かないで、


お父さん行かないで、


瞬先輩行かないで、って……



頭の中で、何度も何度もすがりついた。


怖くて震えて苦しくて。


ねぇ、



私を置いて行かないで……



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