どうしているの?ねぇ、先輩…



18時、先輩の住む駅へと着いた。

帰宅時間とあって、大学生らしき人たちがたくさん歩いている。

もしかしたらバッタリ先輩に会うんじゃないかって、キョロキョロしながら歩くけど…

瞬先輩らしき人は、見当たらない。



「電話、したほうがいいかな」


家に行ってもいなかったら意味ないじゃんって、ここまで来て気が付いた。

スマホを取り出し、立ち止まって先輩の名前を探すけど…


でも待って。

こんなに突然押しかけて、迷惑だったりしないかな?

ウザいとか面倒くさい女とか、思われたりしないかな?


「いやいや、大丈夫。先輩に限ってそんなこと思うわけない」


そう言い聞かせるけど…。

不穏な空気になって以来だし、不機嫌に電話に出られたらきっと怯んでなにも言えなくなる。

お母さんに捨てられた日みたいに、低い声で「なに?」って言われたら絶対怖気づく。


「いやいや、大丈夫。先輩優しいし、大丈夫」


うん、大丈夫。


「よし、電話しよ、」

「美香?」

「…!」



歩道の端で立ち止まる私の耳に、聞こえてきた声。



え、



え!



「ちょ、はは。なんか今、1人でぶつぶつ言ってたろ」




えっ、ほんとに会えた!


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