分岐点  ~幸せになるために

翌日は 朝から どんよりした曇り空で。

お昼前には 雨が降り出した。


「ヒヤー。外 寒いよー。」

ランチに出かけた 同僚が

震えながら 戻ってくる。


毅彦から 待ち合わせのラインが 届いて。


そう言えば 外で食事するの 久しぶりだなぁ。


最後のデートに 毅彦が選んだ 銀座のホテル。

ロビーで 待っていると 毅彦が 入ってくる。


「ごめん。待った?」

「ううん。ゆっくり来たから。」


「そっか。じゃ 行こうか。」


毅彦に 背中を押されて 歩き出して。


上層階のレストランの 窓際の席に 案内されて。


最後のデートだから 奮発してくれたの…?


驚いて 毅彦を 見つめると

毅彦は 静かな笑顔で 私を見ていた。







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