【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。




 「……俺も、そう思う。野山先生と同じ意見だ」

 小児科で働くからこそ、そう思う。子供の病気やケガの程度は人それぞれ違う。だけど助けて終わりじゃない。次に向かうための準備を、俺たちはやっていく必要があるんだと思う。

 「……神山さん、すごく辛いと思う。すごく悲しいと思う。これからだってきっと、自分のことを責め続けると思う。 だけどそんな時は、あなたが彼女のそばにいてあげてほしいの。……何も言わなくていい。ただ、そばにいてあげて。辛い時こそ、ふたりで乗り越えるの」

 野山先生は俺を見ながらそう言うと、そのまま立ち去ってしまった。

 辛い時こそ、ふたりで乗り越えるか……。確かにそうだ。野山先生の言うとおりだな。

 正直に言うと、俺だって辛い。すごく悲しいし、すごく辛い。……だけどそれ以上に辛いのは朱鳥の方で、だからこそ俺がこんな時だからこそ、朱鳥を支えてあげないとと思った。 朱鳥のために、朱鳥のためだけに、何でもしてやりたいと思った。
 

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