【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「朱鳥、頑張ってね。わたしも応援するし、出来ることがあれば何でも協力するから」
「うん。……ありがとう、麻美。すごく心強いよ」
妊娠した日からが、わたしの母親になるための第一歩だと感じた。元気な赤ちゃんを生むために、懸命に頑張っていこう。
正直いいお母さんになれる自信なんてないけど。だけどそれでも、わたしはこの子の母親だから。いいお母さんになれるように、努力していこうと決めた。
そしてそんな矢先の、出来事だった。
病院での検診の後、自宅に帰るため病院の中を歩いていたその時だった。
「……あれ?もしかして……。あの時の、お姉さん?」と声をかけられた。
「えっ?……っ!?」
振り返った瞬間に、顔を見て驚いた。
……え、なんで?何で、どうして……?
目の前にいたのは、あの時一夜を共にしたあの男性に間違いなかった。
「やっぱり、あの時の……」
「え、何で……」
何でいるの……?どうして、こんなとこに?