【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。




 「……やっぱり、すいませんでした。無責任なことをしてしまって……。その、なんてお詫びしたらいいのか……」

 彼は申し訳なさそうにわたしに言った。

 「……いえ、謝らないでください」

 「本当にすみませんでした……。あなたに申し訳ないことを、しました」

 「本当に大丈夫ですから……。気にしないで、ください」

 もう彼のことを忘れたい。……純粋にそう思った。こんなにいい人のことを、わたしは妊娠という言葉で縛りたくない。彼の人生を壊すことは出来ない。そう思った。

 「……じゃ、わたし、行きます。さようなら」

 立ち上がって立ち去ろうとした、その時。彼は「待ってください!」そう言ってまた、わたしの腕を掴んだ。

 「……え?な、何ですか……?」

 何……?もう全て話したじゃない……。まだ何かあるっていうの……?
 
 そしてその時、彼はわたしの目を見つめながらこう口を開いた。

 「ーーーー俺と、結婚しましょう!」

 「……え?」

 
< 25 / 125 >

この作品をシェア

pagetop