【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……やっぱり、すいませんでした。無責任なことをしてしまって……。その、なんてお詫びしたらいいのか……」
彼は申し訳なさそうにわたしに言った。
「……いえ、謝らないでください」
「本当にすみませんでした……。あなたに申し訳ないことを、しました」
「本当に大丈夫ですから……。気にしないで、ください」
もう彼のことを忘れたい。……純粋にそう思った。こんなにいい人のことを、わたしは妊娠という言葉で縛りたくない。彼の人生を壊すことは出来ない。そう思った。
「……じゃ、わたし、行きます。さようなら」
立ち上がって立ち去ろうとした、その時。彼は「待ってください!」そう言ってまた、わたしの腕を掴んだ。
「……え?な、何ですか……?」
何……?もう全て話したじゃない……。まだ何かあるっていうの……?
そしてその時、彼はわたしの目を見つめながらこう口を開いた。
「ーーーー俺と、結婚しましょう!」
「……え?」