【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……朱鳥、ありがとうな。俺はお前がいるから、頑張れる気がするよ」
「はい。……わたしたちの赤ちゃんも、こうやって少しずつ毎日成長していくんですよね?生まれるのが、楽しみになってきました」
「……朱鳥もすっかり、母親らしい顔になってきたな?」
そうやって言いながら微笑む那智さんの目にはもう涙はなくて、代わりに笑顔が出ていた。
「……那智さん、大好きです。那智さんのことも、赤ちゃんのことも、大好きです」
これが今のわたしの気持ち。那智さんのことを毎日昨日よりも好きになっていく。
本当に大切な存在。そばにいてくれるだけで、わたしはそれだけで頑張れる。
那智さんとお腹の赤ちゃんと3人で幸せになりたい。ううん、幸せになる、必ず。
あの日からわたしたちの人生は大きく変わった。あの夜、那智さんに抱かれた時から、わたしたちはきっとこうなる運命だったんだなって思う。
ーーー偶然なんかじゃない、これは必然なんだって思う。