その行為は秘匿
佐々木朱里―。
図書室から昔の卒アルを探して見てみたけれど、朱里が卒業するはずの年に彼女の個人写真を捉えることはできなかった。
「そりゃそうだよなぁ。死んだ人が卒業するなんて。教師が同情して、わざわざ写真を残すこともないだろうし、あったとしても田部先生が裏でいろいろやっただろうな。」
「どして?」
「ここに載ってる元生徒は全員事件自体は知っているはずだ。高校の卒アルなんて、頻繁に見るだろ?田部先生が事件の記憶を消したいと思っているんだったら、裏で写真を載せないようにしているのだって、ありえない話じゃない。」
「そっか…。生まれてきた子どもたちに見せることだってあるかもだしね。」
すると郁弥は、スマホを取り出して、ある人にメッセージを送った。
「誰に連絡?」
「俺のネッ友。佐々木朱里について調べてもらうことにした。」
「え、名前はさすがに…。」
「大丈夫、こいつ人とは思えないほど秘密主義者だから。ネットに晒したり、誰かに話したりしたら罰もあるしな笑」
そう言うと、詳しい内容を送っているのかスマホに向かってたくさん文字を打った。
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