BLADE BEAST
It is impossible to turn back.

星屑は見ていた。

────あれ以来、眞紘のことを考えている。

というか、考えざるを得ないんだと思う。






何やら賑やかな溜まり場の端っこで椅子に腰掛けて俯いている私は、寛いで安らいでいるようで正直全然安らげてはいなかった。

…無理だ。色々追いつかない。

だから、ぶっちゃけ静かな二階に行くって手もあるんだけれど、今は何となくあの静かな場所には行きたくはないと思った。




「これ昨日センター街で見つけた子〜」

「うっわ…レベル高ぇな。で?どんなんだった?」




その辺にいる男どもはと言えば可愛い女が何処何処にいただとか、この前ヤッた女がどーだとか。

そんなくだらない話を耳に入れつつ、一度だけ顔を上げる。




────会いにくいと思っていた晄は、今日は仕事で忙しいらしく一日席を外しているのだそう。





だって、この前の夜、晄のことをあんなふうに拒否して放置していってしまったから。

もっといい言い方があったかもしれないだとか、もしかしたら悲しんでる可能性だってあるかもしれないだとか、よくよく思えばそんなこともあり得ると考えたから。



いや、もしかしたら他の女を直ぐに呼んでお楽しみをしたのかもしれないってのも十分あり得るけど、でも個人的にはそう思ってる。

そりゃあ眞紘への行為に関しては理解はできない。あそこまでしなくてもいいと思う。



さらに言えば私は、不特定多数の中のただのお気に入りなんだし。

だけど、でもそれとは別として、晄がいるっていうのに眞紘に対して何らかの"揺らぎ"を感じてしまったことに対しては罪悪感を覚えた。
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