BLADE BEAST
"俺が東の人間だって言ったら、どうする?"
───それと、あの言葉は真実なのだろうか。
あの顔は戯れ事を言っているようなものではなかった。
でも、はいそうですかって受け入れることもそう簡単にはできなくて。
上手く頭の中に入ってこなかった。
────ふと、晄や恭平や豪太、その他の"G.G"のメンバーとも馴れ合うことなく、決まって少し離れた場所に腰を下ろしている眞紘の姿が脳裏に過ぎった。
周囲に関心を持つことなく、静かに一人の世界を貫いていたアイツ。
けれどそこに私が居合わせてしまった時には、拒否なんてものをすることはなく涼しげな視線を向けて隣を開けてくれた。
一度、目を閉じて──開ける。
───すると今度はあの夜にただ一人、任されていた裏の仕事を遂行しようとする眞紘の姿が蘇ってきた。
虚無的、狂気的に冷笑するアイツの顔は、まるで今までにそれくらいしかやることがなかったかのように見えた。
飛び散る血。クツクツとした笑い。
────とんでもなく胸が、苦しくなった。