仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。



 《咲良 side》


 蓮司さんが出張で中国へ行ってしまって、2日目。帰ってくる蓮司さんのために、ご馳走を作ろうと朝から準備をしていた。


「ん〜デザート、シフォンケーキ作ってみよーかな」


 材料をボールの中で混ぜながら、朝来たメッセージを思い出して一喜一憂している私は彼のことが好きなんじゃないかなと考える。
 だけど、蓮司さんの『愛さなくていい』という言葉が過りその気持ちは封印するの繰り返しだ。

 蓮司さんは私のことなんてなんとも思ってない。歳の差がありすぎるし、彼がリラックスしているところ見たことない。


「はぁ……可能性はゼロに近いのに、何考えてるんだろう」


ため息を吐き、シフォンケーキの生地を型に流し入れてオーブンへと入れた。
 







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