仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。



「可愛いな」

「!? な、何言ってるんですか!?」

「真実を言っている、それだけだ」


 今日の蓮司さん、熱でもある……? やっぱり雰囲気が違う気がする。


「蓮司さん、体調悪いですか? 熱、あります?」

「……ない、大丈夫だ。早くお風呂入りなさい」


 私が額に手を当てようとしたら彼は私の手首を掴み、拒否をした。


「あ……ごめんなさいっ私、お風呂入ってきます」


優しくされて気を緩めてしまったかもしれない。馴れ馴れしかったよね。居た堪れなくなって蓮司さんに言われた通り、私は浴室へ急いで向かった。



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