溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。
日陰だけど寒くはない。
階段は狭いから、座るとちょっと腕が触れ合ってドキドキした。
「今日も乃愛の弁当うまそうだな」
凪くんのお昼は、コンビニで買ってきたおにぎりと総菜パンだった。
「凪くんのも美味しそうだよ」
「……っ。……やっべ」
ん……?
急に口に手をあてて、顔をほころばせるから何ごとかと思ってしまう。
「だって、今、凪って……」
そう言って、また顔を赤らめる。
うわっ、そうだ。なんだか自然に呼んじゃったけど、凪くんに凪くんて呼ぶの初めてだった……。
それに気づいたら、今更すごく恥ずかしくなった。
「俺、自分の名前好きになるわ」
「そ、そんな大げさな……」
凪くんって呼んでいる女の子はいっぱいいるのに。