溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

「それで、萌花ちゃんもその間家に来てもらったらいいと思って。話はついているから」


「ほんとに? やったあ」


萌花ちゃんは一人っ子だからね。


萌花ちゃんが家に来てくれたら、凪くんが家にいる緊張が少しは紛れる。


そう思っていたんだけど……。



「……ってことなの、ごめんね」


次の日の学校。私の前で、申し訳なさそうな顔をして謝る萌花ちゃん。


「そ、そんなあ……」


私はきっと今、顔面蒼白になっているはず。


週末は家に来るんでしょ、楽しみだね、なんて話したら。


その日は萌花ちゃんの両親がいないのをいいことに、嶺亜が萌花ちゃんの家に泊まりに行くって言うんだもん!


そしたら私はどうなるの!? まさか凪くんと家にふたりきり!?


「お願いっ! 凪くんとふたりなんて無理なの! 萌花ちゃん来て!!」
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