極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です



 私の目に映っている美輝さん。

 すごく美形で。
 スタイルも抜群。

 どう見ても、すごくモテるタイプ。


 ……だけど……。

 それは……。

 男子からではなく。
 女子から。


 美輝さんの容姿は。
 中性的な感じ。
 だから見ようによっては、どちらにも見える。

 けれど。

 美輝さんは―――。



「あっ、もしかして夕鶴ちゃん、
 俺があまりにもイイ男だから見惚れてるんじゃない?」


「バカ、何言ってんだよ。
 夕鶴、美輝の言うことなんか無視していいからな」


 男の人だった―――。



 思い込んでいた。
『美輝』という名前。
 その人は絶対に女性だと。

 そう思ってしまったから。
 ずっとずっと辛くて悲しくて苦しくて。

 こんなことなら、美輝さんの名前を知ったその日に隼理くんに確認すればよかったのかもしれない。

 でも。
 それは結果論。

 美輝さんのことを直接見て男性と知るまでは。
 やっぱり怖かったから。
 隼理くんに美輝さんのことを確認することが。

 良くない結果になったらどうしよう、とか。
 そんなことばかり思っていたから。


 だから。

 本当に良かった。

 美輝さんが男の人で―――。


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