幼馴染からの抜け出し方

 売れ行きはその日によってまちまちだけど、利益のためにやっているわけではないのでそこはあまり気にしていない。

 私の作った作品を手に取って気に入ってもらえたらそれだけで嬉しくなる。

 今日も、小さな女の子を連れたお母さんが子供とお揃いのヘアゴムを購入して、喜んでくれた。

 もっとたくさんの人に私の作品を手に取ってもらいたいところだけれど、ここで休憩のためにいったん閉めようと思う。時刻は現在お昼時でお腹が空いてきてしまった。

 マルシェに合わせてこの日だけ特別に屋台が出ているので、そこでなにか適当に調達して食べよう。

 そう思って腰を浮かせたところ、「これください」と声を掛けられた。私の客層にしては珍しく男性のようだ……というかこの声もしかして。


「あ! 由貴ちゃん」

「久しぶり、めぐ」


 二週間ぶりに会う由貴ちゃんだった。

 私とは違いほぼカレンダー通りの休日の由貴ちゃんの服装は、上は白いブイネックのシャツに紺色のカーディガンを羽織り、下はベージュのチノパン姿。

 全体的にとてもシンプルなデザインだけど、どんな服もかっこよく着こなしてしまうのは、さすが元モデルの由貴ちゃんだ。

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