幼馴染からの抜け出し方
そんな由貴ちゃんのおかげで私もようやく少し冷静になることができた。いや、由貴ちゃんの発言にはいろいろと驚かされたけれど……。
ひとまず今は森谷君だ。
私も森谷君にしっかりと今の自分の気持ちを伝えないといけない。このまま由貴ちゃんの背中に隠れていても、前に進めない気がする。
森谷君の前の彼氏――束縛ストーカ男と別れるときのトラブルも、最後は由貴ちゃんに頼って助けてもらった。それなのに、今も私は由貴ちゃんに助けてもらおうとしている。
いつまでも甘えていちゃだめだ。これは私の問題なのだから。
私は、私の手を掴んでいる由貴ちゃんの手を優しく振りほどいた。
「森谷君」
そして、由貴ちゃんの背中から抜け出すと前に飛び出して森谷君と真正面から対峙する。
「森谷くんはどうして私に告白したの?」
「は? そんなのめぐみが好きだったからに決まってるだろ」
「でも、そのときはもう昨日の彼女と付き合っていたんだよね」
「それは……まぁ、そうだけど」
森谷君は言葉を詰まらせて視線を泳がす。