幼馴染からの抜け出し方

「あんたに言われなくても知ってるよ。めぐが、俺をどう思っているかなんて」


 由貴ちゃんはそこで一呼吸置くと、再び言葉を続ける。


「あんたのときだけじゃない。めぐに新しい彼氏ができるたびに、勇気を出して告白できない自分が情けなくて悔しかった。他の誰よりも俺が一番めぐのことを近くで見てきたし、知っているはずなのに」


 えっ、由貴ちゃん……? なにを言っているの?

 突然過ぎて理解が追い付かない。


「なぜかめぐの彼氏はあんたも含めて全員ろくでもないやつばかりだから。今度は、俺がめぐの彼氏になってめぐを守る。そう決めたんだ」

「由貴ちゃん……」


 私の手を掴む由貴ちゃんの手にぎゅっと力がこめられる。


「だから、あんたにめぐは渡せない。もう、誰にも渡さない」


 子供の頃から由貴ちゃんはあまり多くを語らない人だった。

 自分のこととなるとなおさらそう。私は由貴ちゃんによく家族や友達や勉強や進路のこととかいろいろと相談していたけど、由貴ちゃんから相談を受けたことは一度もなかった。それはただ私が頼りにならないからだけかもしれないけれど。

 とにかく、こんなに自分の気持ちをストレートに言葉にしている由貴ちゃんを見るのは、たぶん初めてだ。

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