またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「リリカさんにはまた必ず会えるわ」

「え……?」

「命は永遠ではないもの。いつか命が朽ちる時が来て、私たちはみんな空に昇る。空の上でリリカさんに会ったとき、胸を張って会えるように生きることが今のあなたにできること。そして、それがリリカさんの為になる」

「リリカちゃんの為に……?」

「まだ彼女は17歳だった。やりたいことだってたくさんあったはず。もっと生きたかったと思ったはず。あなたとももっと一緒に過ごしたかったと願ったはずよ。でも、その願いは叶わなかった。だからこそ、彼女が生きられなかった分、残されたあなたは一日一日を大切に生きる必要がある。彼女の分まで生きるの」

警察官は優しく語りかけるように言った。

「彼女の体はもうここにはない。だけど、気持ちや心、考えはあなたの記憶に思い出とともに残る。あなたは彼女の代弁者になれるのよ」

「あたしがリリカちゃんの代弁者に……?」

「そう。だから、毎日を大切に生きるの。ご飯もちゃんと食べて、ちゃんと睡眠もとって。あなたが自分のことで苦しんだり悩んだり悲しんだりしているところを見たらリリカさんはきっと辛いはずよ」

確かに今の私をみたらリリカちゃんは心配するだろう。

げっそりとした私を見たらリリカちゃんはなんていうだろう。

「私がリリカちゃんの為にできること……」

それはなんだろう。今からでも私にできること……。

警察署を出ると、眩しいほどの太陽に照らされた。肌がジンジンと痛むぐらいの激しい日差しに顔を持ち上げる。

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