アスミルセカイ

「蒼井さん!来て!」
「え、暁月くん!?」

大きな手が私の手をとる。
(暁月くんがなんで私を…男子選びそうなのに)

『はい!最後ゴールしました!お題は仲良くなりたい人!でした!』
仲良くなりたい人…
暁月くんが!?私と?!
「え、あの…」
「あー、写真部員として結束深めとかないとねと思って。ごめん、いきなりで」
「あ、ああ!そういうこと!」
未来(みく)のがあったから、影響でつい恋愛路線で考えてしまったが、よくよく考えれば、最近仲良くなった人がそんなわけない。

私は、応援席へ戻る。


「零、なんで蒼井さんなんだよー」

「…さあね」

朝陽は『バレー部女子』と出て女子と走ってた。
その時私にはモヤッとした感情が残った。

「応援いくよー!!!」
応援団が一斉に掛け声をし、私達は青空の中、走り出す。

体育祭というこの1日が私達の何かを動かしたのだった。

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