アスミルセカイ

「「部活見学!?」」

「うん、そうだね、えっと。写真部の文化祭の作品のテーマが部活なんだよね。だから、それに向けて部活見学に行って欲しいんだけど…」

写真部顧問の新葉先生がそう話した瞬間に部員達はとてつもなく嫌な顔をする。
他部活なんて見たこともないし、同級生もたくさんいる。
他部活に行って写真を撮るなんていくらなんでも嫌だ。

「そこのところ、お願い。頼むよ」
新葉先生は要項を生徒に渡すと、早々に部室から退出した。

部長がそんな嫌な空気を改善しようと、明るく振る舞う。
「えっと…じゃあみんな!ここは公平に、どこの部活に行くかをくじ引きで決めよう!」

そして部長オリジナルくじ引きの結果はというと…、


「え、じゃあ男バスだ。いいなー」
「いいなーじゃないよ!未来。どうしよう…1人で行くのもやだよ」
放課後。
いつもの庭園で写生を行なっている未来と話していた。

「えー、朝陽とか春樹とかいるし、心配ないんじゃない?朝陽いるじゃん!」
「え、あー。うん…」

朝陽くんは本当に私とは別次元の人。
いつもたくさんの人に囲まれて、クラスを盛り上げてる人。
…でもあんまり女子とは絡まない人。

だけど。この間の借り人競走では他の女子と走った…。
ズキッ
(…?なんだ今の)
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