アスミルセカイ

見学当日。

私は体育館の前まで来ていた。
しかし、あまりにも熱気がすごくて、男子ばっかで。
ボールがあちこちに飛び交っていて。
なかなか入って行けなかった。
先生に許可は取ってもらったので入っていってもいいのだが、、、

「どーしたの?」

同じクラスのお調子者でムードメーカーの佐野優希(さの ゆうき)が声をかけてくれた。
佐野くんは男子バスケ部で朝陽と仲がいい。
男女関係なく誰でも平等に接してくれるので、人気が高い男子の1人。

「写真部の課題で写真を撮らせて欲しくて…」
笑顔で「どうぞ」と言われたが、男子ばかりで戸惑っていると、

「女子バスケ部のみなさん、すいません。写真部です。写真を撮らせてください。」

同じクラスで同じ写真部の暁月零(あかつき れい)が堂々と体育館に入った。
暁月くんといえば体育祭の借り人競走で私を連れて走った人だ。

暁月くんはくじ引きで女子バスケ部を引いたようで。
男バスと女バスは大きな体育館を二分割しているために同じ場所での活動だったのだ。
「早く行きなよ、時間なくなるよ」
愛想のカケラもない言葉を吐き捨てて、女バスで撮影を始めた。

(なんだこいつ…)
上から目線ですごい偉そう。
自分にめっちゃ自信ありそう…。

「なんか思ってた人と違うかも(小声)」
「なんかいった?」
(地獄耳…)
「ナンデモナイデス…」

こんな流れがあった後、私は男バスの練習しているところで写真を撮っていると…
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