心理作戦といこうか。
真琴が俺に黙って千景になんか相談するとどうなるか、教えてあげよう。

「何惚けてるんだよ。
 真琴。バレたら首じゃないのか?」

「なっ!何の事?」

頭を振り、知らない振りをする彼女の仕草が可愛くが許さない。

「東西百貨店13階、フランス料理屋。」

ビクッと肩が動き、うどんを倒しそうになったので押さえてあげる。

「なっ!なにそれ!?」

「毎週火曜日と木曜日、19時から22時まで。
 担当は食器洗い、テーブルの片付け。
 その為に火曜日と木曜日はここのうどん屋で夕飯を済ます。
 ばれたくないなら、付き合え。
 あと、副業の方は辞めろ。
 時間を有効活用したいなら別のやり方を教える。
 異論は認めない。
 真琴、分かったか?」

「・・・。わかった、よ。。。」

全て知られているのを理解したのか、素直に承諾をした。
真琴が承諾してくれたので、お義父さんに紹介して貰った運輸会社に引っ越しの手配を依頼し、急遽だったのにも関わらず真琴のご両親にも引っ越しの手伝いをして貰い難なく終了した。

彼女が俺の部屋に引っ越ししてから不便がないよう、友人に化粧品や部屋で使う物を用意して貰い後は真琴本人が来るだけとなった。

彼女用に真琴が好きなうさぎのキャラクターのパスケースを購入し、マジックで部屋番号を記入しルームカードを入れる。

真琴の気持ちを考えてながらも強引に進めているのは理解している。

「とりあえず、ここまで。
 後は指輪か。
 サイズはお義母さんに調べて貰ってあるからどんなのが良いのかは落合に相談するか。」

明日から真琴も一緒にこの部屋で暮らすのかと思うと嬉しくて待ち遠しくて、寝付けなかった。
< 119 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop