心理作戦といこうか。
私服へと着替えるとドレスの担当者にお礼を伝え、式場を後にする。
帰り道はスーパーに寄り夕食のメニューを考えながらスマホをタップしレシピアプリとにらめっこしつつ今まで試着したドレスの写真にも目を向ける。

(お昼は軽めにしたからお肉にしようかなあ。)

ドレスの事が頭でいっぱいのはずが、試着の緊張から朝からあまり食べていなかった。
それでも疲れもあり本日はありきたりかも知れないがビーフシチューに決めた。
未だ料理のレパートリーの少ない私がレシピを見ないで作れる唯一のメニューはビーフシチューかカレー…そのくらいだからだ。

バゲットを手に取り、
(食事のメニューは直ぐに決められるのな。。。
ってドレスと夕飯を同じように考えちゃだめか。)なんて自虐的になってみる。

会計を済ませ、エコバッグに食材を積めているタイミングでスマホが震えた。

『真琴、お疲れ様。
 今から帰るけど今日の写真撮ってたら送って。』

休日出勤で疲れているはずなのにマメな彼からのメッセージにふふふっと思わず笑みを溢す。

『玲君、お疲れ様』とだけ送信し、三着試着したなかで一番気に入ったミントグリーンのドレスを着た後ろ姿の写真を添た。

すると一分も経たない内にスマホを震え、画面をタップする。

『良く似合ってる。
 けど、正面の写真がいい。』

これ以上のやり取りをしていると夕食を作る前に玲君が帰宅してしまいそうなので、『後でね』のスタンプを送信し急いで帰路へ着く。
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