婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「ジャレットも大変ね。あなたの主人が……アレで……」


詳しいことは知らないけれど、ジャレットはいつもルーカスについてくる。まるで、アルフレッドの護衛騎士のように。


「まあ……でも、主人の機嫌は良いにこしたことはないですから」

私の機嫌は、曇っていく一方ですがね……




「ライラさん。占いをお願いしたいのですが」

すっかり名物になりつつある、アルフレッドとルーカスの存在を気にかけながら、男性が声をかけてきた。

「もち……」

「「誰だ?」」

だ・か・ら……

「2人とも、営業妨害です!!」


男の人が私に声をかけようものなら、こうして邪魔をしてくるのもいつものこと。鬱陶しい。


「ドリー、見ての通りよ。そろそろそこの2人、出禁にしないと、客離れが始まりそうよ」





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