婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「おい、そこの2人。追いかけるばかりじゃ、女は逃げる一方だぞ」

「なんだと!?」
「本当か!?」

神妙な顔をして頷くドリー。これ以上、2人に妙なことを吹き込まないで欲しい。


「じゃあ、どうすれば?」

「それは、な……」

「「それは?」」



「自分で考えな」

「「ドリー!!」」

〝うちの次期女将は、そう簡単に手放さんぞ〟と付け加えたドリー、グッジョブ。


「なんなら、恋多き魔女にでも教えてもらいな。たとえば……ミランダとか」

ドリーがちらりと視線を送った先にいたのは、慣れない手つきで食器を下げる美女。カジュアルな格好をして、おまけに地味なエプロンをつけているのに、どうしてお色気たっぷりなのか……




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