婚約破棄されたので、森の奥で占いお宿をはじめます。
「まあ。王子様方のことなら、いつでもなんでも何度でも、協力しますわ。手取り足取り、あんなことやこんなことも、優しくお教えしましょう」

送られた流し目に、2人がビクッと身を震わせた。


「え、遠慮しておこう」
「お、俺、あいつ無理」


詰め寄るミランダから、情けない顔をして逃げる2人。家臣達に示しがつかないどころか、彼らの後ろに隠れてるし。


魔力を失ったミランダは、数日後、この宿にやってきて働きはじめた。
妊娠がわかってお店を辞めたチェリーの代わりを探していた、ベストタイミングだ。


「ライラ、助けてくれ……」
「ライラ、待ってくれ……」

「あら、ごめんなさい。占いのお客を待たせてるの」


クマの獣人さんと、別室へ向かう。


「あっ、おい、ライラ!!俺以外の男と2人っきりになるなんて、番にあるまじきことだ!!」

「番はともかく、ルーカスに同感だ。見ず知らずの男と2人になることは関心しない」


「仕事ですから!!」






どこの国にも属さない、
森の奥深くにある、
古いお宿。

自然に囲まれて、長閑で、静か……

だったはずですが、最近はかなり賑やかです。












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