白いジャージ ~先生と私~
『もしもし?』




『・・・・せん・・せい・・会いたいよ・・』




受話器の向こうの先生の声・・・懐かしい声。



『おい!!!どうした?矢沢??』



『せん・・せい・・ごめんね。電話して・・』



『おい!!どうしたんだよ!!今、どこだ?』


先生の必死な声が、私の心を溶かしてくれる・・


やっぱりスーパーマンだ・・




先生は・・





『今から行くから!!どこにいる?』



『・・・どこか・・わかんなくて・・・寒くて・・会いたい・・』



先生は、落ち着け落ち着けと何度も言ってた。


大好きな先生の声は、寂しくて寒くて凍えそうな私の体を温める。



先生に言われるがままに、近くに何が見えるか、先生に伝えた。

住所らしきものがないか、地名らしきものがないか・・


見えたのは、小学校のような建物と、その横にある『山本商店』という駄菓子屋さんみたいな小さなお店。



今・・・何時なんだろ・・


ここ

どこ・・?






先生は、寒くなさそうな場所に座ってろと言った。


私は、電話BOXの中にしゃがんでたんだ・・



私はもう寒くなかった。

先生の大きな手に包まれたような

安心感で


薄れる意識の中で


先生の笑顔ばかり

思い出してた。




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